ファッションセンス
同居の義母がダウンコートを買ってきた。
今年はいつもは行かない大型店で、妻の意見を聞き入れながら慎重に品定めをしたらしい。
「暖かそうでいいじゃん」僕は慎重に声をかけた。
思えば昨年、やはりダウンコートを買って戻ってきた義母に、「まったく同じようなコート持っていなかったっけ?」
と声をかけたのはマズかったらしい。
妻はそんなこと言わないで!とたしなめるような視線を向けてきたけど、発した言葉は戻らない。
「本人も気にしていたらから、私も言わないようにしていたのに」と後から妻に怒られた。
でも確かに今まで着ていた、グレーと紫の中間のような色合いがそっくりだったのだ。
好きな色というのは、年代によって違うものなのだろうか?
義母の世代くらいをターゲットにしていると思われる街の洋服屋をのぞくと、同じような色合いの洋服ばっかり売っている。
僕が失言した、例のグレーとも紫とも言えない色合いの洋服だ。
このような色は、この世代が好きなのか、それとも誰でも歳をとればそのような色が好きになるのか?不思議だ。
さて、翻って自分のことだ。
ブーツを買ったから、レザーのジャケットを買いたいと思って、そのことを友人に話したら
「気をつけないとインディジョーンズになるからね。どこ冒険しに行くの?みたいな」
そう言われ、インディジョーンズをあらためて検索してみた。
ヤバかった。
本当にインディジョーンズになるところだった。
ファッションだから、自分が好きであることも大事だけど、他人にどう見えるかも大事だ。
あらためて洋服ダンスをのぞくと、緑色やカーキの洋服ばっかりだ。
インディジョーンズは免れたかもしれないが、スナフキンと呼ばれるのは避けられそうにない。